良い手は指が覚えている(仮)

将棋大会とか自戦記とか

大山杯参戦記⑥〜決勝〜

 準決勝隣の山は石川の大ベテランA春さんと岩手の若手強豪N君が激突。横でチラッと見た感じでは序盤からA春さんが若手を圧倒。圧勝ペースに見えた。

 

 しかし自分の将棋が終わって表を見ると決勝の相手はN君。あの将棋が逆転するとは!

 

 

決勝】

 

 N君とは初手合い。どんな将棋を指すのかも知らなかったが、見た感じでは振り飛車全般を指しこなしているイメージだ。

 

 お兄さんの方は何度も対戦があるのだが、面構えが似てきた気がする。気のせいか。笑

 

 決勝は静かな部屋で行われ、緊張感がぐっと高まる。会場ではプロの先生方による解説会がある。

 

 後手を引き、私の居飛車穴熊対ノーマル四間となった。

 

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 よくある図面だと思う。

 

以下、37角、35歩、同歩、同角、38飛、36歩

 

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 テンポよく進んだので、研究にハマったか と思った。    実際本にも書いてある変化のようだ。

 

 勝負の上では大一番で相手の得意型に飛び込むのは危険だった。経験値から来る安心感を与える。

 

 37角のところでは59角の方が38飛が角に当たるから無難だったと思うし、そう研究した記憶もあるのだが、この型になるのが久々すぎて頭から抜けておりフラフラっと指してしまった。

 

 以下、59角、46歩、同歩、同角、43歩、同飛、44歩、同飛、26角

 

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 59角では48角として46歩、同歩、同角、同銀、同飛、57金としておく方が良かったか。金が離れていくのを嫌ったのだが、、

 

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 今見るとここで27銀とも打ちにくい。飛車の侵入さえ防げばやれる。

 

本譜は26角以下、57角成、44角

 

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67馬、11角成でちょっと苦しいながらも頑張り甲斐はあるかと思っていたら…

 

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79馬!!

 

 

飛び上がった。

 

指された瞬間血の気が引いていくのがわかった。

 

 

 仕方ないから11角成としたが、78銀と絡まれた局面はもうダメだろう。

 

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  以下あの手この手で粘ったが、挽回不可能だった。

 

  積み重ねたものが少しのミスで吹き飛ぶ、将棋は怖い。

 

 この将棋は全体的に読みがまとまっていなかった。

 

 準決勝の消耗があったのだろうか。 

 決勝は得てして凡戦になりがちだ。

 

 2年前の忘れ物を見つけることは出来なかった。そういえばその時も凡戦だった。

 

 内容がある将棋なら充実感もあろうが、こういう負け方は本当につらい。

 

 ノーミスで指した相手を褒めたたえるべきだろうが、見せ場を作れなかった自分が情けなかった。